アレルギー科

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当院のアレルギー治療

当院では、乳児期から思春期までのお子さまの成長を見守り、アトピー性皮膚炎や、食物アレルギー、気管支喘息の予防と治療に力を入れています。お子さま・ご家族と私たち医療者が治療を通じて長年にわたりお付き合いし、お子さまが思春期を迎えた頃には病気を理解し、自分の力で改善できる(自己管理)までに成長を見守ることを目標としています。
小児では、乳児期早期からアトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息の発症が認められ、患者さまの数も多く小児科の医師として重要な疾患です。アレルギー疾患の多くは、乳幼児期で改善するのですが、症状の重症度によっては、思春期にまで続く方もおられ、早期から治療をおこなうことが大切です。
また、これら3つの疾患には重複する点も多く、それぞれアレルギー学会が診療のためのガイドラインを作成しており、「最初は症状の重症度にあわせた十分な治療ですみやかに改善させ、次に3つの疾患の重症度を軽症化するために時間をゆっくりかけて治療を減らしていくと同時に、再発・再燃を予防する。」という共通の方針があり、治療には薬物療法と同時に悪化因子への対策が必要です。

食物アレルギーについてはこちら

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、生後1ケ月までの赤ちゃんにはありませんが、予防接種を始める時期の生後2ケ月から5ケ月頃の乳児は、皮膚の角層が薄く、バリア機能が弱いため湿疹ができたり感染症にかかりやすくなります。かゆみを伴うアトピー性皮膚炎は全乳児の30%に発症し、治療を行わない場合、約1/3に食物アレルギーが発症すると考えられ、予防が大切です。
アトピー性皮膚炎の一般的な治療法としては、年齢に関わりなく、重症度にあわせたステロイド外用療法で速やかに症状を改善させ、保湿剤によるスキンケアもおこないます。またハウスダスト・ダニ・食物といったアレルギーの悪化因子の対策や、タバコや細菌などのアレルギー以外の悪化因子対策を併用していきます。当院の日々の診療では、再発を防ぎ良い状態を維持するために、これらの治療を症状に合わせておこないます。
また、最近では、TARCという血液検査が、アトピー性皮膚炎の重症度や治療の作用を理解して頂くのに役立つため、当院でもよく使用しています。

食物アレルギー

「必要最小限の除去」が、日本アレルギー学会の食物アレルギー治療における大原則であり、微量の摂取で強い症状が出ていた方もある時期から少しずつ食べられるようになり、可能な範囲で増やしていくことによって、時間はかかりますが普通またはかなり食べられるようになります。日本小児アレルギー学会は、研究的治療法である「経口免疫療法」を一般的治療として推奨しておらず、保険適応外であり、当院では施行しておりません。
乳児期に重症化してしまうとその悪影響が長く続いてしまうため、生後半年までは定期的に慎重に対応し、肌がつるつるすべすべになってから離乳食を開始することをおすすめします。
当院では、生後2カ月から5カ月の時期に予防接種や乳幼児健診、アトピー性皮膚炎などで受診された患者さまには、検査結果、患者さまの環境(ご家族、特に上のお子さまやご両親・ペット・喫煙状況など)を勘案して、患者さまそれぞれに食物アレルギー予防対策・治療プランをご提案致します。

気管支喘息

気管支喘息は、細い気管支(下気道)が炎症のため、狭くなり呼吸が苦しくなります。呼吸困難の発作を繰り返していると次第に重症化していくため、まずは発作を止めるための治療をおこなうことが大切です。その後の治療では、「発作のない時も続いている炎症」を継続して長期にわたって治療していくことになります。
長期の治療では、喘息の重症度に応じた薬物療法と悪化因子対策が必要です。治療は数年間かかることが多いですが、喘息の発作がなく、日常生活をはじめ、スポーツも普通にできれば薬を少しずつ減らし、中止します。
喘息の発作の状態を調べる検査としては、呼吸機能検査や呼気NO検査、喘息の悪化因子を調べる検査としては特異的IgE検査などをおこないます。
当院の治療では、治療により呼吸機能を正常化し、本人が望むスポーツを十分できるようになることで自分に自信を持ち、自分自身で健康管理ができるように成長することを最終の目標としています。